2025年 09月 21日
母の話②「これは外国風やね」
実家に行って帰る時、
最近は、手を握ってからハグしている。
(日本語で言うと『抱きしめる』『(欧米式の挨拶などで)相手を抱きつつむこと』)
小さかった頃、いつも母に手をつないで欲しいのに、
母の両手は、まだ赤ん坊の双子の妹でいつも塞がっていた。
そこで私は母の後ろから母の服の端っこを握って歩いた。
でも母には、寂しいとか手をつないでとか言えなかった気がする。
そして妹たちが大きくなって、母の手が空くようになったら
今度は何故か気恥ずかしく、自分から母の手を握る事ができなくなっていた。
数年前、このままでは母に触れる事もなく時間が過ぎて行くと思い、
思い切って、帰り際に母の手を握って帰りの挨拶をするようにした。
最初は驚いたような母だったが、すぐに慣れて今まで以上に2人でニコニコ。
楽しい挨拶となった。
帰る時、『はい!』と言って母の両手を握ると、
母も私の手を握って、ぶんぶん上下に振って
「気をつけて♪、帰りなさい♪」と
歌うように言う。
私も同じように調子を合わせて
「気をつけて♪、帰ります♪」
それから、今はすっかり小さくなった母をそっと抱くと
母は、小さな子どもにするように私の背中を軽くポンポンしたり
さすったりしてくれる。
母のぬくもりが伝わってきて、幸せな気持になる。
もっと早くこうできてたら良かったのに。
ずいぶんと時間がかかってしまったけど
できるようになって良かった。
つい先日、いつものようにハグした後に母が突然言った。
「これは外国風やね」
「え?」(お母さんは私が外国風の挨拶をしてると思ってたの!?)
まぁ、確かに日本人ではあまり見かけないし
外国人は普通にハグしてるけど。
・・・そんなつもりでハグしてるのとちゃうのだけど。
なんか、温かくて幸せな気持になるでしょ。
そう思ったけど、ニコニコ笑顔の母を見たら
うまく説明できず、そのまま帰って来た。
その後も母には何も言ってないけど、帰る時の挨拶は同じ。
手を握って、ハグして同じ言葉のやりとり。
幼い頃にできてしまった心の隙間を
私は今、埋めているのかもしれない。
でも、母も笑顔だから、きっと嬉しいはずと
勝手に思っている。
青空と白い雲が見事で思わずパチリ(7月26日)
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by yumemiso01
| 2025-09-21 11:14
| 家庭・家族
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